PARC TOP社会を知る学校15.人の移動から見る近・現代史

15.人の移動から見る近・現代史

人が住み慣れた地を離れて移動をするとき、そこには必ず理由があります。このクラスでは、日本の近・現代史を、その中で「移動」した人びとの視線からとらえなおします。拡大していく「日本帝国」の政策の中で「植民」として北海道やアジアの各地へ向かった人びと。日本による占領の結果、故郷を離れざるをえなくなった人びと。冷戦の中で国境を越えた人びと。食べていくために、職を求めて移動する人びと。それらを「数」として捉えるのではなく、ひとりひとりの生き様や、家族・友人との関係、転地した先での暮らしから学びます。「国家」や「社会」、「労働」や「経済発展」の影にある支配や強制、周辺化とはどのようなものなのでしょうか。同時に、人びとのたくましさや、移動の結果生まれた交流、新しい価値観についても考察し、私たちが求める「未来史」を構想します。

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講座の内容
・2009年2月〜2010年1月
・基本的に隔週火曜日 19:00〜21:00
・全14回/定員30人
・受講料38,000円
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日程

5月19日
人の移動から見えてくるもの
■中村尚司(龍谷大学研究フェロー/パルシック理事)

人類ほど広範に移動した動物はありません。多様な定住形態を展開した動物も、他に例がありません。移民が支配する社会と、鎖国を経験した社会を振り返りながら、現代世界の課題を考えましょう。

6月2日
拡大する『国家』と先住民族
―アイヌ・モシリの植民地化と 大和民族の大量植民
■上村英明(恵泉女学園大学教授/市民外交センター代表)

世界各地に存在する先住民族の権利保障問題は、植民地化への反省と非植民地化プロセスの実施を意味しています。アイヌ民族と日本政府の関係をこの視点から再考してみます。

6月30日
植民地下朝鮮人農民の窮迫による移動
■樋口雄一(高麗博物館 館長)

1945年朝鮮人人口は2500万人となり、内500万人が日本・「満州」中国などで暮らしていた。主に植民地下での事でこの原因を考えたい。我らの隣人在日朝鮮人もこの一部である。

7月14日
映画『嗚呼 満蒙開拓団』をつくって
■羽田澄子(記録映像作家)

映画『嗚呼 満蒙開拓団』の演出家の羽田さんは、旧満州の大連生まれ。1931年の満州事変以降、「お国のために」と、中国大陸の旧満州、内蒙古に送り込まれた開拓民の問題を捉えた映画を製作したいきさつを話していただきます。

7月28日
大日本帝国の形成と崩壊における「移民」と「帰還」
―旧南洋群島を中心に
■今泉裕美子(法政大学国際文化学部教員)

約30年間にわたって日本が支配した旧南洋群島に、労働のために移動し、あるいはさせられた人々のくらしや仕事から、戦前、戦後のミクロネシアと日本の国家、社会、そして相互の関係について考えます。

9月29日
朝鮮半島の南から日本を経て北へ
―私の家族の場合
■梁英姫(映画監督)

半島の南から日本をへて北へ、歴史に翻弄されながら移動した韓国朝鮮人の決断とその背景について自身の家族史をひもときながら語る。

10月10日(土)〜12(月)
(2泊3日)
★北九州・筑豊炭鉱を訪れる
筑豊の中の闇を根拠地に
―「渡り坑夫」、沖縄、アイヌ人、被差別部落、被強制連行、強制労働者
■横川輝雄(強制動員真相究明福岡県ネットワーク)

日本の石炭産業を支えた筑豊の大小の「移動」の中に見える闇を根拠地にしたいのです。その一つの閉山時の労働者の苦難は、今、私たちの前にある非正規労働者の姿と重なります。

11月(土)日程調整中
人は、なぜ移動するのか
―ブラジル移民の場合
■岡村 淳(映像記録作家/在ブラジル)

あなたは、なぜ移動するのか、あるいは、しないのか。ヒトの移動を、自ら「ドキュメンタリー移民」としてブラジルに渡った立場から、作品の紹介と共に「反省」してみたいと思います。

11月17日
炭鉱から中南米や寄せ場を渡り歩いた人びと
■濱村 篤(日本寄せ場学会)

国策に基づいて中南米に渡った炭鉱離職者を取り扱う上野英信の『出ニッポン記』を素材として、国境を越えて移動する労働者の視点から今「国家」のカタチを問い直してみたい。

1月19日
帰国運動
―祖国ではない『祖国』に向かった人びとの理由
■テッサ・モーリス=スズキ(オーストラリア国立大学教授)

20世紀における日本と朝鮮半島の間の人々の移動を皆で振り返ってみましょう。そこから現在の日朝関係についても考えます。

12月1日
「逆流」する日系人とその家族の現在
■山口元一(弁護士)

日本には、200万人をこえる外国人が生活しています。彼らの現状と歴史は、昨今、さかんに議論される外国人受け入れ策を考えるうえで、重要なヒントを与えてくれるはずです。

12月15日
制度がつくる奴隷労働、外国研修・技能実習制度
■鳥井一平(全統一労働組合書記長/移住労働者と連帯する全国ネットワーク事務局長/外国人研修生権利ネットワーク運営委員)

80年代から私たちの社会、経済を下支えし、そしてダイナミズムと多文化交流をもたらした移住労働者の姿を現場経験から見ていきます。そしてもう一方で人口減少社会に伴うご都合主義の「労働力政策」がつくりだす奴隷労働の実態と問題点に迫ります。

1月7日(木)
漂流する/させられる若者たち
■湯浅 誠(NPO法人自立生活サポートセンター「もやい」事務局長/反貧困ネットワーク事務局長)

雇用流動化に伴い、人も流動化して/させられています。他方日本は住民票に多くの権利がぶらさがっている社会でもあり、住民票がなくなると一気に各種サービスの受け手としての資格を失います。漂流する/させられる人たちがどういう状況に置かれているか、考えてみたいと思います。

2月2日
人は動く、能動的に、あるいは国家に強制されて
■太田昌国(現代企画室)

人が仕事を求めて、異文化に憧れて、ただ旅するために「移動」するのは、古今東西よくあること。そこへ国家の力が働いて強制された「移動」となると? さて、どう考える?

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